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2005年10月 アーカイブ

2005年10月02日

韓国の旅

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韓国 安山市の学童保育と老人福祉施設

韓国の旅を忘れないうちに、書いておこうと思う。
今回の旅は、2つの目的があった。HJPクアイアメンバーとして、ヤンピョンドン教会の人々と再会し、コンサートを行う事。もう一つは、旧友と一緒に韓国で何かボランティアをしてこようということ。

テジョンが旧友、黄ちゃんとであったのは、10年前の阪神大震災後の神戸だった。彼は、韓国から東京に来ていて、神戸の地震があまりひどいのに居てもたってもいられず、何かできることはないかと、神戸に駆けつけた。

彼が手伝ったのは、震災後プレハブで建てられた聖公会(キリスト教のプロテスタントの1会派)の老人の給食センターだった。そこで、テジョンも仕事の合間の縫って、手伝った。給食をつくったり、近所のお年よりに届けたり、長田センター(給食センターの名称)で多くのお年寄りが来て、一緒に食べたり・・・そういうところだった。

そんななか、黄ちゃんは実は観光ビザで日本に来ていて、オーバーステイをしていた。何度か、みつかりそうになったが、まぬがれることもあった、だが、いつか見つかる時が来る。
大阪の都島に収監されて、審判を待つ。多くの支援者。ボランティア仲間、教会関係者が彼の人柄、ボランティア活動について、訴えたが、強制送還されることになった。つらい収監の日々を送って彼は韓国に帰っていった。そして、日本に再び来る事がとても難しくなった。

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2005年10月10日

格差社会好き? ジェンダーフリーバッシング

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一週間ほど前になるが、朝日新聞10/4朝刊に掲載された記事 「ジェンダー」残す?削る? 男女共同参画計画の改定 用語や表現めぐり論争 (朝日 2005/10/04朝刊生活面) について、憤りを覚える。

これは、今年5月に自民党本部でひらかられた「過激な性教育・ジェンダーフリー教育実体調査プロジェクトチーム」から問題提起され、来年度の男女共同参画基本計画に影響を与えるという記事だ。

記事の見出しは以下のとおり(引用)

「ジェンダー」(社会的・文化的に形成された性別)という用語をめぐり来年度改定される予定の「男女共同参画基本計画」が揺れている。今年7月、この計画についての「基本的な考え方」がまとまったが、自民党のプロジェクトチームは、この中の「ジェンダー」の言葉を批判し、基本計画に使わないことなどを求めている。内閣府は、言い換えが可能かなどを検討する会合を開く異例の措置を決めた。あなたはどう考えますか。

この記事について詳しいのは以下のサイト
http://www.ritsumei.ac.jp/kic/~gr018035/r/gender.htm
教育と自治埼玉ネットワーク
http://blog.livedoor.jp/kyoiku_jichi_saitama/archives/50122495.html
成城トランスカレッジ
http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/20051005/p2
TransNews Annex http://transnews.exblog.jp/1918687/

記事の詳細については上記サイトにゆずるが、女性の労働力が重要な社会資源になっている今なお、子育てしながら働くことに不自由な社会であるのに、今さら懐古的な家庭感を政府によって押し付けられけられてこんな言葉を投げつけられなんて不快だ。

山谷えり子事務局長談話;「ジェンダーの定義は人によって違い、混乱を招く未熟な言葉だ。しかも、ジェンダー論は男らしさや女らしさを否定し、過激な性教育や家族軽視、行き過ぎた個人主義などを引き起こしている。こうした言葉は使うべきではない。」(記事より)

行き過ぎた個人主義。そうなのか?家庭軽視?
ここでも思う。男女の格差をつけたいの?男らしい・女らしいと国から言われるなんて大きなお世話だ。
男であろうが、女であろうが、子供であろうが、大人であろうが個人を大切にしない国は危険だ。
夫婦別氏に誘導するというが、それによって何の問題があるというのだ。

経済格差のことで格差社会とよく言うが、男女にまたしても格差をつけようという意図が読める。これは、弱者・強者の振り分けの理屈と似ているように思う。
個人というレベルで自立し、発言しようとする人間に対し、管理しやすいように個人の生活にまで介入する。とんでもない。これでは、女性は、子供をもっと産めなくなる。安心して、子育てできる環境というのは、仕事と保証された保育と、男性の協力。

いきいきと子育てできる。安心して仕事ができる。育児支援がしっかりしている。そういう環境こそ少子化対策と考える。ジェンダーの言葉狩りをしてもなんら建設的ではない。

憲法改正案には多く、個人を規制しようという内容がある。
憲法24条
憲法9条
それ以外でも共謀罪の導入など・・・うんざり
憲法調査会は、あらたに憲法調査特別委員会という形で9月22日に発足された。
エキサイトニュースより
<衆院>憲法調査特別委員会始まる [ 10月06日 13時14分 ]
ついに、改憲へと動いているのか注意が必要だ。

2005年10月13日

言葉でつたえる心

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HJP at yanpyonndon church05.9.24

ブログを書くって、自分にどんな意味があるのか?と思うときがあるけれど、心の有様を文章に書くということで、考えをまとめたり、時にはまとまらなかったりするが、思考のプロセスを見てくれ~というようなものかとも思う。(ホントは、他人様にみせるようなものではないのですがね。)

このところ、ニュースや記事に触発されて”どうなってるん?”ということを書くことが多くなった。そのせいで、更新も滞る・・・。なぜかというと、記事にたいして、自分なりに意見を書くときには、情報を収集する必要があり、あちこち読みまくるから、時間がかかる。その労力に見合う体力・精神力が無い時は、書けない・・・・

心のありようは、言葉で伝える以外に、他人様に表明する事はできない。非常に内省的なことでも、時には言ってしまったりするときもある。偶然、聞いてしまう側になるときもある。けれど、そうする必要があって
のことだとつくづく思う。

調律師という仕事をしていると、他人の家にあがりこみ、時には家人と出されたお茶を飲んだりして、世間話をすることも多い。わたしたちが、その家の近所の人々と何の利害もないせいが、深~い悩みを聞くことになるときもあるのだ。反対に自分のことをべらべらしゃべることもある。こんなややこしいことが、あってね~なんて。子育ての悩みなんて、特に口が軽くなってしまう。

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2005年10月18日

靖国参拝の反応

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17日に小泉首相は靖国神社参拝を決行した。先日大阪高裁で違憲判決がでて日も浅いというのに・・だ。だが、インタビューの言い訳に少し元気がないという印象だ。

TBS NEWSEYEより
「一国民として」首相は私的参拝強調

17日午前に靖国神社を参拝した小泉総理は夕方、記者団に対して、参拝は個人的なもので不戦への誓いであることを強調しました。
 「(Qなぜ、きょう参拝したのか?)きょうは例大祭ですし、それとやはり1年に1回参拝するのはいいことだなと。二度と戦争をしないという決意を表明するとともに、今日の平和というのは我々生きている人だけで成り立っているのではない。心ならずも戦場に赴いて、命を失った方々の尊い犠牲の上に成り立っているんだということを片時も我々は忘れてはならないと思う」

「(Q参拝の仕方を変えた理由は?)総理大臣である小泉純一郎が一人の国民として参拝すると、これも一般国民と同じだなと、今までよりは総理大臣としてとの扱いよりも普通の一般の国民と同じようにということが言えるかなと思いました」

「(Q日中・日韓関係について)日本としては日中友好、日韓友好、アジア重視は変わりませんから、よく説明していきたいと思います」(17日16:39)

裁判を受けて一個人の参拝ということを強調するも、個人とは何か?単に知人の墓参りをするのではない。不特定多数の、選別された戦死者の魂を(あればの話だが神道的な考え方だ)思い、二度と戦争をしない、不戦の誓いをたてるのならば、それは首相という立場にあるからだろう。今あるアジアのなかの問題を友好的に解決する努力をいかにしているかが、客観的な評価となるはずだ。内心で思っていても、やっていることといってる事がこうも違うと、日本をさらにおとしめることになるだろう。

民間で、中国・韓国の間で、草の根の交流をつづけている人間がいるのにまたもや、無にされたようで心外だ。

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2005年10月19日

ピアノオタクのブーム

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カプースチン8つの演奏会用エチュード作品40 / KAPUSTIN PLAYS KAPUSTIN

ニコライ・カプースチンを知ったのは、知り合いのジャズピアニストとゴスペル仲間からカプースチン・ブームの話を聞いてのことだった。もう、だいぶ前から、クラッシック愛好家から注目を集めていたらしい。

カプースチンは、現代作曲家という分野だ。ロシア人でクラッシックを学び、その後ジャズを演奏していた。ライナーノーツには、ロシアでは、ロシア革命以降数次にわたる弾圧や曲折を経ながらも、ジャズの演奏は続けられ、独特のジャズ史がある。ビッグバンドも盛んだったそうだ。

アメリカにないジャズ史がロシアにあった。そして、このエチュード集は全部ピアノソロだが、時にはラグタイム風あり、モード奏法あり、ジャズの音に満たされている。しかも超絶技巧。早い指使い。
上原ひろみも笑えるほど早く弾くピアニストだが、カプースチンはそれを上回る。
しかも、ジャズの奏法、手法を使いながら、しかしアドリブではない。きっちり書かれた、楽譜が存在する。
なので、他の演奏家によっても演奏されたアルバムもある。

なにせ、わたしはこの一枚を入り口に、聞き始めたところだ。だが、とても躍動感のあるこの音楽にクラッシック弾きの人たちが吸い寄せられる意味もわかるような気がする。
ジャズのように、テーマのメロディーが何小節か与えられていて、それにどうコード付けしても、リズムを変化させてもOKというのが、クラッシック弾きの人にとっては、演奏するテクニックがあっても、非常に高いハードルとなるということが、理解できるから。適当にコード付けて・・なんて、大変らしいね。

このカプースチンの楽譜も発売され、好評だ。みんなが待ちのぞむそのわけは、楽譜なっていたら複雑なコード編成も、音符に起こしてあるから。いわば、アドリブを譜面化したようなものだ。

これはジャズではない。だろうが、非常にたのしいボーダーのない音楽だ。しかし、調べているうちにこの人の話題をたのしんでいるサイトの人たちは、実にオタクであることがわかった。「ここの弾き方が、いまいちうまくいかない」とか、要するにリスナー=ピアノ弾きなのだ。恐ろしいな~。

ジャズがすきなのは、その和声が魅力的だから・・・とわたしは思っている。和音一発で、ガツ~ンとくるサウンドがある。トロ~となるサウンドもある。そんな魅力もこのアルバムは持っていて楽しい。
今、車でいつも聞いているアルバムになった。

カプースチンについて詳しいサイト「音楽の風景」で「カプースチンの世界」のページをご覧ください。

日本でも演奏される機会がある。
わたしも、11月のコンサートには行こうと思っている。

青井彰 ピアノリサイタル2005
フェニックスホール(大阪)
2005年11月28日(月)18:30開演
曲目:カプースチン/24の前奏曲とフーガ 作品82より
   J.S.バッハ/シャコンヌ(ブゾーニ編) 初版
   J.S.バッハ/ゴールドベルク変奏曲 BWV988
入場:3,000円(全席自由)

おもしろそう!

2005年10月25日

ローザパークス女史 永眠

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ローザ・パークスさんの訃報を「低気温のエクスタシーbyはなゆー」さんのブログで知った。

ローザ・パークスさんは、アメリカの公民権運動の発端となった「バスボイコット事件」を起こす原因となった方である。
仕事がえりに乗ったバスで満員の白人席。黒人席にやってきた白人に席を譲らなかったローザさんは逮捕される。このことをきっかけにして、マーチン・ルーサー・キングjr牧師が主導し、アメリカ南部の黒人の公民権獲得のための戦いが始まる。

以前のこのblog参照記事
「マーチン・ルーサー・キングJr.牧師 誕生の日」

92歳という天寿を全うした。
いまから50年程前の話だ。黒人が隔離政策の元差別されていたのは。だけれど、50年経っても、経済的な、社会的な差別は続いているから、ニューオリンズのカトリーナ被害やイラクの傭兵に多くの貧しい黒人の人々は苦しんでいる。

キング牧師の演説ももう一度引用する。
「この世で最大の暴力請負人は我が国の政府である」(マーティン・ルーサー・キング Jr. 牧師)

何も変わらないアメリカに、ローザさんは何を感じて、天国にいっただろうか?


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