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2005年10月19日

ピアノオタクのブーム

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カプースチン8つの演奏会用エチュード作品40 / KAPUSTIN PLAYS KAPUSTIN

ニコライ・カプースチンを知ったのは、知り合いのジャズピアニストとゴスペル仲間からカプースチン・ブームの話を聞いてのことだった。もう、だいぶ前から、クラッシック愛好家から注目を集めていたらしい。

カプースチンは、現代作曲家という分野だ。ロシア人でクラッシックを学び、その後ジャズを演奏していた。ライナーノーツには、ロシアでは、ロシア革命以降数次にわたる弾圧や曲折を経ながらも、ジャズの演奏は続けられ、独特のジャズ史がある。ビッグバンドも盛んだったそうだ。

アメリカにないジャズ史がロシアにあった。そして、このエチュード集は全部ピアノソロだが、時にはラグタイム風あり、モード奏法あり、ジャズの音に満たされている。しかも超絶技巧。早い指使い。
上原ひろみも笑えるほど早く弾くピアニストだが、カプースチンはそれを上回る。
しかも、ジャズの奏法、手法を使いながら、しかしアドリブではない。きっちり書かれた、楽譜が存在する。
なので、他の演奏家によっても演奏されたアルバムもある。

なにせ、わたしはこの一枚を入り口に、聞き始めたところだ。だが、とても躍動感のあるこの音楽にクラッシック弾きの人たちが吸い寄せられる意味もわかるような気がする。
ジャズのように、テーマのメロディーが何小節か与えられていて、それにどうコード付けしても、リズムを変化させてもOKというのが、クラッシック弾きの人にとっては、演奏するテクニックがあっても、非常に高いハードルとなるということが、理解できるから。適当にコード付けて・・なんて、大変らしいね。

このカプースチンの楽譜も発売され、好評だ。みんなが待ちのぞむそのわけは、楽譜なっていたら複雑なコード編成も、音符に起こしてあるから。いわば、アドリブを譜面化したようなものだ。

これはジャズではない。だろうが、非常にたのしいボーダーのない音楽だ。しかし、調べているうちにこの人の話題をたのしんでいるサイトの人たちは、実にオタクであることがわかった。「ここの弾き方が、いまいちうまくいかない」とか、要するにリスナー=ピアノ弾きなのだ。恐ろしいな~。

ジャズがすきなのは、その和声が魅力的だから・・・とわたしは思っている。和音一発で、ガツ~ンとくるサウンドがある。トロ~となるサウンドもある。そんな魅力もこのアルバムは持っていて楽しい。
今、車でいつも聞いているアルバムになった。

カプースチンについて詳しいサイト「音楽の風景」で「カプースチンの世界」のページをご覧ください。

日本でも演奏される機会がある。
わたしも、11月のコンサートには行こうと思っている。

青井彰 ピアノリサイタル2005
フェニックスホール(大阪)
2005年11月28日(月)18:30開演
曲目:カプースチン/24の前奏曲とフーガ 作品82より
   J.S.バッハ/シャコンヌ(ブゾーニ編) 初版
   J.S.バッハ/ゴールドベルク変奏曲 BWV988
入場:3,000円(全席自由)

おもしろそう!

投稿者 pianocraft : 2005年10月19日 23:30

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