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2007年12月 アーカイブ

2007年12月03日

でこぼこな世の中

bekoboko.jpg
べこぼこ人形

このところ、「べこぼこ」として古い歌をブルースやブギの感じでアレンジして弾き歌うユニットをしている。マイマイフェスティバルでコリアボランティア協会のボランティア仲間として出演させてもらったお礼のような形で、専従ボランティアの久保麗子さんが、写真の人形を作ってくれた。キーボードとウクレレで唄う姿を作ってくれている。とってもキュートで嬉しい。

人形を作ってくれた麗子さんは、実は絵の先生でもあるし、イベントのポスターやら明るいイラストを描く。コリアボランティア協会は、代表が朝鮮籍の書家、姜秀峰さんでもある。
作品は、とても柔らかい線で描かれた、和みをあたえる字。人を呼び寄せる魅力が字にもあるのかと思ってしまう。

震災以降ボランティアも注目された、けれど最近の格差社会といわれる状況下では、若い人がそういう気持ちの余裕、自分が必要とされる場所を求めて、ボランティアに行き当たることは厳しい状況になっているのかもしれない。自分の生活がぎりぎりのとき。本当ならすこし他が見えて、手を差し伸べることで
自分も力をもらえることもあると思うけれど。

一方で、同世代のそういう格差のある生活に関係ないと思って働いている人たちがいることも知った。
というのは、久しぶりに髪を切りに行った時。美容院というところはいろいろ話かけられる。
私は、知らない人と話すことは嫌いではないが、美容師の彼らの話は無理に話題を作ろうとしてる感じで、こちらが気を使ってしまう。ので、本を持っていて「私は本を読んでいます」とお話をしなくていいんだよというオーラをだすことにしてる。

横では、まあ、実にプライベートなことまで語る若い女性の話が耳に入ってきて、お互いに楽しそうに仕事をし、髪を切ってもらっているなあと関心してしまう。オーラを出していたのにも関わらず、私のほうを担当する人が「何を読んでいるのですか?」と聞くので、少し語った。

そのとき雨宮処凛さんの本を読んでいたのだが、そこにいた数人は誰も彼女の名を知らなかった。
プレカリアートと共闘する彼女の存在は、貧困でない若者には関心がないことなのか?と。
社会的な問題に関心がないのか、その余裕がないのかわからないが、でも明日のわが身かもしれないのに・・・と思った。

ので、タイトルのように・・・でこぼこな感じがしたのだ。

2007年12月05日

気になる情報

ちょっと時間ができたので、いろんなブログをめぐり一気読みしていたら、いろんな本や情報に出会った。メーリングリストからの情報も含め、気になるものを書いておこう。

〇映画「サラエボの花」・・tamyさんのブログで紹介されていて病に倒れる3日前のオシム監督のメッセージも掲載されている。関西は、来年の一月からの上映となる、これが来年初の映画鑑賞ということになれば、またもや戦争に絡んだ映画からスタートということになるなと思いつつ・・・。

戦争の犠牲となった女性の深い傷と娘の絆。愛の物語であるという。

関西の上映は以下のとおり
■京都
【京都シネマ】       2008年1月12日~
TEL:075-353-4723 
http://www.kisaragisha.co.jp/kyotocinema/
■大阪
【シネリーブル梅田】  2008年1月5日~
TEL:06-6440-5930 
http://www.cinelibre.jp/umeda/
■兵庫
【シネリーブル神戸】  2008年1月5日~
TEL:078-334-2126 
http://www.cinelibre.jp/koube/

〇雨宮処凛さんの関西での講演会
来年の2月です。詳しくは、案内ホームページへhttp://homepage3.nifty.com/civilsocietyforum/amamiyakarin.pdf
以下転送歓迎
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「生きさせろ! 雨宮処凛と考える反-貧困 近畿三都物語」(仮)

 「好景気」が続き大企業は史上空前の利益を得ている一方で、
日本社会の貧困は拡大し深化しています。
 働いても働いても生活できない「ワーキングプア」が増大し、
ネットカフェ難民をはじめ、貯蓄ゼロ世帯、多重債務者などが急増し、
自殺者は毎年3万人を超え、国保料を払えず保険証が取り上げられ、
医療を受けられず死にいたる人や、生活保護を受けられずに餓死にいたる人など、
「健康で文化的な最低限度の生活を受ける権利」(憲法第25条)が侵害されています。
そして、貧困は世代を超えて拡大し、将来の夢を描けないフリーターや非正規雇用が
増大しています。
 貧困の拡大は、競争に勝てない人々の「自己責任」ではなく、
労働分野での規制緩和や社会保障の給付削減・負担増を推し進めてきた、
政府の「新自由主義・構造改革」が生み出したものです。
 ますます生きづらくなっている若者の将来を考えるため、「反貧困」をテーマに、
生活も職も不安定さに晒される人々(プレカリアート)の問題に取り組み取材・執筆・
運動されている
雨宮処凛さんを、神戸・大阪・京都にお招きし、学習・交流企画を開催します。

★神戸企画「生きさせろ! 貧困と労働を考えるシンポジウム」(仮)
 日 時 08年2月16日(土)14時~16時30分(開場13時)
 開 場 神戸市勤労会館 403+404号室
★大阪企画「雨宮処凛と語ろう、Vegasでオーオー!」(仮)
 日 時 08年2月16日(土)19時~22時
 開 場 LIVE BAR VEGAS
       (大阪・地下鉄長堀橋駅南5分、日本橋北5分)
      大阪市中央区東心斎橋2-1-5ゴールデン第一プラザB1F 電話06-6211-2620
★京都企画「雨宮処凛と“すごい生きかた”語り合おう!」
 日 時 08年2月17日(日)午後14時~16時30分(開場13時)
 開 場 京大会館101号室
      ・京都駅より市バスD2のりば(206)「京大正門前」下車
      ・三条京阪より京都バス17番のりば出町柳経由系統「荒神橋」下車
      ・京阪電車「丸太町駅」下車徒歩7分
      京都市左京区吉田河原町15-9  電話075-751-8311


2007年12月12日

NHKスペシャル「ワーキンブプア ⅠⅡ」再放送

NHKスペシャル「ワーキンブプア ⅠⅡ」。また。再放送を見てしまった。
みると、ひしひしと辛さが痛い。以前にも増して、痛い感じがするのは何故だろう。

「ワーキングプア」という言葉が新しい響きを持って、耳に入ってきてから時間がたつ。
このドキュメントも最初の放送から一年が経過している。その後の母子家庭の様子、プレスの仕事のおじさんの今。少しだけ紹介されていたが、それを知るとなお、状況は悪くなっていると感じる。

抜け出せない生活レベルを傍観するのは辛い。
私は、娘と見ていたのだが、彼女のようにこれからの人生を歩いていく若者がこういう現実を知るのは必要でありながら恐怖でもある。
大学生の新卒の就職率が上がっていると聞くが、そういう人生をウチの家族は歩かない。

したがって、一歩違えば、格差社会の底辺へ転落する。
組織に所属しない生き方を選ぶ多くの人も同じだけれど、その自己責任という塀のさらに向こう側から
も敵に攻めやられているという感触でもある。
ドキュメンタリーにでてくる人たちが努力していないのではない。

雨宮処凛が洋泉社刊「プレカリアート」で座談会をしていて世の中がプレカリアートをどう見ているかの片鱗を知ることができる。
出席者は、1、フリーター 2、フリーターを正社員に就職させた母 3、大企業の就職成功者 4、水から選んでフリーターになった人(舞踏家)
やはり、最初は「自己責任」と言われて、2や3の人には叩かれるが、徐々に状況の理解は進んでいく。

結局、例えばお隣の一人親の人がどんなに働いているか知らなかったのは私たちで、それについて関心も持っていなかったに違いない。

我が家にはまだ、人生の浪人がいる。この世の中を効率的に泳いで行こうという気はさらさらないらしく、かなりのおおまわりをやってみようとしている。
人のことは言えないと今は思うのだけど。親としてはそうすんなり、腹をくくってるわけでもなし。
ああ・・。また、誰かが私を試してるんだ。不出来なもので、自分でもでこぼこと思ってるけど。

今度の日曜日16日には「ワーキングプアⅢ」が放映される。
世界に目を移し、ワーキンブプアから脱出する希望のようなお話もあるらしい・・・。

2007年12月17日

NHKスペシャル ワーキングプアⅢ

日曜日の夜、忘れずにNHKのワーキンブプアⅢを見た。
今回は、海外の状況、打開策など・・・と解説があったので少し期待をもって、見てみた。

内容は、さらに掘り下げていて見ごたえがあった。
番組では、海外での事情を取り上げている。非正規雇用大国のお隣韓国も、学歴競争が過激なのにもかかわらず、若い人の就職が厳しい現実がある。日本と同じようにアメリカに追随して市場原理主義の政策がもたらしたその姿は、日本と似ている。さらに良くないのが、医療保険制度が不安定なこと。
日本の誇るべき制度、健康保険制度は守らなくてはならない。
焼身自殺で雇用のない抗議をした人。日本でも自殺者は多いが、精神性はアジアでは似通っているのかな?と思ってしまった。

さらにワーキングプアの現実はアメリカでも。日本の先を行く雇用不安を知る。
IT関連の仕事から職を失った人は、インドへ外注されるグローバル経済の被害者となっている。

後半は、対策を取っている実例を紹介している。
アメリカで、日本で、イギリスで。生活を支えるための労働をちゃんと受け継いでいくため、公的資金を投入して、職業訓練を行う。自分の努力でもう、どうにもならないということが明かされている。
貧困の連鎖を断ち切るために、子供のうちから教育の場でも、街でも、多くの支援の手が用意されている。日本も、自己責任論をもういい加減にやめて、誰の身にも起こりうること、根本的支援の方法。
教育の機会の格差を無くす方法など、いくらでもやれることがあるだろうし、やらなくてはならない状況だと思った。

最後に、ワーキンブプアⅡで、親の貧困のために30代でホームレスの生活をし、コンビニで漫画雑誌を拾い、換金して、一日600円ほどで生活をしている岩井さんという青年が再登場している。
今は、ホームレスの人を支援する請負仕事をして収入を得ており、路上生活ながらも食事もとれ、お風呂屋さんにも行くといった生活ができていた。
最後に、インタビューで涙で言葉が詰まってしまった岩井さん。
「生まれてこなければ良かった」と思っていた、今もそんなときはあるのだけど、「人を信じられるようになった。」といい目頭を拭いていた。
生きていても死んでいるような、人間らしい感情をもつことさえ許されない厳しい生活に追い込まれる状況を作っているのは、私たちの社会だと思うと、とても痛い気持ちになった。

この放送の感想をとても丁寧に書いておられるサイトを紹介しておきます。
http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/workingpoor5.html

2007年12月29日

今年がすぎていく

クリスマスの頃。ちいさな近所のお店でアジアのごはんと一緒にフォルクローレを聞いたり、相方とインドの料理を食べに行ったり・・・と、ちいさな「ホッ」する瞬間はいくつかあった。
けれど、クリスマスに今はピンとこない。ゴスペルをやってたころは、フルスロットルでオンシーズンを歌いまくっていたけれど。

まあいいか、大概季節感を大切に生きてる感じがしないものな。
ブログつながりのりんさんは、料理といい、生活といい、とっても忙しいのにちゃんと季節の楽しみをしっかり味わってる。自分の生活に味気なさを感じる瞬間とでもいうのかな。いい感じにしっかり生活してらっしゃる。

今年も数えるほどになったけれど、そんなときにオスカーピーターソンが亡くなった。
上原ひろみがオープニングアクトをした日本公演が最後の来日になった。そのときにコンサートホールでベーゼンドルファーピアノを弾く、オスカーを観て、聞いて、あらためて魅力を感じたものだ。
私は、ジャズのピアニストではこの人を多くは聞いてこなかった。それなのに印象深いピアノだった。
そういえばベーゼンドルファーピアノも、11月には倒産、売却先はヤマハとも言われている。
人がこの世を去るように、いろんな物事が時とともに、あるいは突然、形をかえたり、消え去る。

この間は、ブットさんが暗殺された。ビルマで長井さんが撃たれた。人の死の形は選べない。
来年、とはいえ、時は一続きに、私の生活と同じように連綿と続く。

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