« 2008年03月 | メイン | 2008年05月 »

2008年04月27日

憲法ミュージカル「ロラ・マシン物語」

lola.jpg

26日の夜、クレオ大阪中央の開場は多くの人で満席のような状態だった。私は、学童保育の時の親のつながりの仲間と、その一人で憲法ミュージカル「ロラ・マシン物語」に出演している友人の応援に行った。

素人100人のキャストを募集して、1月末から4月26日の初日までのハードな練習日程をこなし、舞台を駆け回り、歌い、踊った人たちは、実に輝いていた。
このミュージカルは、フィリピンの元慰安婦 トマサ・サリノグさんの人生を主軸に平和・愛とともに、いまだ「慰安婦」問題に向き合えない私たちの政治にたいするメッセージでもある。

舞台に大きくひろげられた紗の布の前で、アメリカ人とダンサーが語りかける。慰安婦について、あるいは、日本兵について、あるいは、米軍の兵士のモノローグが。その後で、紗をスクリーンに、写真が大きく投影される。フィリピンのこどもたち。
舞台は、印象的な照明効果と、100名ものキャストでコーラスもダンスもダイナミックに展開する。
主役の有馬さんは、見事なモダンダンサーで芝居もさることながら、彼女の身体表現としてのダンスが非常に効果的に使われていて感動した。
彼女の夫は、イラクで拘束されたジャーナリストの郡山総一郎さんだ。

子供たちも、時に生きる力をときには、寄り添う天使として舞台の中で重要な未来を予感させてくれて好ましかった。

同じように鑑賞した人によれば、最初の説明のイメージが(シリアスで重い感じ)ずっと続いたらどうしようかと思ったという感想を持った人がいたが、すぐに舞台が展開しほっとしたようだ。このテーマは、重く、しっかり貫かれているけれど、舞台そのものの展開は明るく、躍動的であきさせることがなかった。

憲法をまもらなければという、若い弁護士さんたちが呼びかけたこのミュージカル。本当に、この時代に責任のある世代が、ちゃんと戦争の事実と向き合い、大切な憲法を守ることが大切であると感じる。

この公演は関西ではあと3回ある。

山梨・東京では主役級以外は別キャストで行われる。
詳しくは、HPをご覧下さい。
http://music.geocities.jp/kis_hrn/index.html

投稿者 pianocraft : 23:12 | コメント (0) | トラックバック

2008年04月22日

民族の離散・家族の離散

日曜日にシネヌーヴォに行き、『パレスチナ1948 NAKBA』と『ノーム・チョムスキー=イラク後の世界を語る』、『中東レポート アラブの人々から 見た自衛隊イラク派兵』を観てきた。私としては、どうしても『ガーダ-パレスチナの詩-』 を観たいのだが、上映日程をにらんでいるところ。

1948年に村を追われたパレスチナの人々を、広川さんは探してインタビューする。家族の場所から着の身着のままで追われ、豊かだった畑や泉を奪われ難民と化す。難民キャンプでも危険で劣悪な状況で暮すことを余儀なくされたパレスチナの人々。それを「大惨事=NAKUBA」と呼ぶらしいが惨事というには、あまりにも「故意」であり、災害にたとえなければやりきれないといった心境なのか?とも考えてしまう。

『 ルート181』 のときに観た、延々とイスラエルとパレスチナの人にインタビューしていった映像とちがいこの映画では、土地を追われた人を探し出してナクバの時の記憶を聞きだす。再び、昔の村を訪れた人々が「ここに何があった、あそこに何があった」と語るシーンは、胸が痛む。そこにある、いまや野生になった木の実をもいで食べる美しい顔が懐かしさとともにやりきれなさをあらわしていたように見えた。

離散した人々は、ユダヤ人もやはりそうであったわけなのに。また、チベットでもそう。

私たちの国、日本にも在日韓国・朝鮮人という離散の人たちがいる。

「奪い合うと足らず、分け合うと余る」と相田みつおが書いていたけど。

日本にずっと住んでいる、日本人としての感覚は他人よってもちろん違うのだけど、自分の住まいを根こそぎ奪われる、あるいは、どこかへ移住させられる、強制退去させられるという経験をなかなか感覚的に理解できない。1つ、似たようなことを感じるとすれば、阪神大震災で家を失った人が「失う」という喪失感を強く感じたことを目撃した時だった。けれど、それは災害であり、人為的なものでない。
ここに、奪い合う根拠となる政治的な問題が解決を絶っている。

大阪では、公開時期が未定だが「ビルマ、パゴダの影」というドキュメンタリー映画が十三の第七藝術劇場で上映される。それは、ビルマの少数民族の弾圧の証言を扱っている。ここにも、また奪われた人々、忘れられている人々がいる。
映画『ビルマ、パゴダの影で』

投稿者 pianocraft : 21:24 | コメント (2) | トラックバック

2008年04月18日

シネ・ヌーヴォ~パレスチナ映画特集始まる!~

大阪九条のシネ・ヌーヴォで明日からパレスチナ映画の特集が始まる。
見落とした映画、みたかったけど時間が問題だった映画、まとまった作品群となっている。必見。
けど、どうしよう、みんな見たくなってしまう。通いか??

前にもエントリーで紹介した広川隆一さんの作品がいよいよ公開される。
4/19(土)~5/2(金※5/3以降はシネ・ヌーヴォXにて続映
『パレスチナ1948 NAKBA』
フォトジャーナリストの広河隆一が40年間に渡って記録しつづけた
パレスチナ難民の歴史。必見のドキュメンタリー。
12:40/15:10/17:40/20:10

シネヌーヴォには、シネヌーヴォXというスクリーンもある。

☆シネ・ヌーヴォX☆(全てデジタルDLP上映)
4/19(土)~5/16(金)
【パレスチナ映画特集~私たちはパレスチナのことを何も知らない~】
『パラダイス・ナウ』『ガーダパレスチナの詩』などする映画を12本一挙上映!
シネ・ヌーヴォ 特集タイムスケジュールはこちら
ちなみにラインアップ、上映時間や詳しい作品紹介は上記サイトで確認して欲しいが、タイトルだけ写しておきます。

〇『シャティーラ キャンプの子供たち』1998年/パレスチナ・レバノン/47分◎監督:メイ・マスリ
〇『プロミス』2001年/アメリカ/104分
 ◎監督・プロデューサー:ジャスティーン・シャピロ、B・Z・ゴールドバーグ
 ◎共同監督・編集:カルロス・ボラド
〇『夢と恐怖のはざまで』2001年/パレスチナ・アメリカ/56分
 ◎監督:メイ・マスリ
〇『 ルート181』 パレスチナ・イスラエル 旅の断章』
 2003年/ベルギー・フランス・イギリス・ドイツ/270分
 ◎監督:ミシェル・クレイフィ、エイアル・シヴァン ◎撮影:フィリップ・ビルアーイシュ 
〇『アルナの子どもたち』 2003年/イスラエル/84分
 ◎監督:ジュリアノ・メール・ハミース
〇『ノーム・チョムスキー=イラク後の世界を語る』2003年/日本 ◎製作:山上徹二郎 
 ◎インタビュー:ジャン・ユンカーマン ◎撮影:スティーブン・マッカーシー ◎出演:ノーム・チョムスキ
〇『中東レポート アラブの人々から 見た自衛隊イラク派兵』2004年/日本
 ◎取材:佐藤真、ナジーブ・エルカシュ 
 ◎編集:佐藤真、泰岳志
〇『レインボー』2004年/パレスチナ/41分 ◎監督:アブドゥッサラーム・シャハーダ
〇『ガーダ-パレスチナの詩-』 2005年/日本/106分
 ◎監督・撮影:古居みずえ ◎製作・編集:安岡卓治
〇『パラダイス・ナウ』 2005年/フランス・ドイツ・オランダ・パレスチナ/90分
 ◎監督・脚本:ハニ・アブ・アサド◎脚本:ベロ・ベイアー◎撮影:アントワーヌ・エベレル
 ◎出演:カイス・ネシフ、アリ・スリマン、ルブナ・アザバル
〇『エドワード・サイード OUT OF PLACE』2005年/日本/137分
 ◎監督:佐藤真 ◎企画・製作 山上徹二郎 ◎撮影:大津幸四郎、栗原朗、佐藤真
〇『As Human Beings~日本・イスラエル・パレスチナ合同学生会議の記録~』
2005年/日本/26分
 ◎監督:戸田泰雅 ◎企画:日本・イスラエル・パレスチナ学生会議、独立行政法人国際協力機構  (JICA)東京センター 、中央大学総合政策学部松野良一研究室
〇 『パレスチナ1948 NAKBA(ナクバ)』 2008年/日本/132分◎監督・撮影・写真:広河隆一 
 ◎製作:広河隆一記録映画製作委員会 『1コマ』サポーターズ 広河隆一事務所 安岡フィルムズ
 ◎プロデューサー・構成・編集:安岡卓治 ◎編集:辻井 潔 ◎音楽:飯利友季子

投稿者 pianocraft : 16:35 | コメント (0) | トラックバック

2008年04月14日

大西巨人と言う人

昨夜、ETV特集をご覧になった方はいただろうか?
「神聖喜劇ふたたび~作家 大西巨人の闘い」と題された回であった。思わず見入った。
神聖喜劇」の朗読劇を織り交ぜながら、戦争での不条理な体験について語っている。

この本を私は読んでいない。けれど、きっと明日には手にしていると思う。
漫画版も賞をとっていて、そちらも魅力的だが・・・。

大西巨人さんの公式HPは 大西巨人 巨人館 http://www.asahi-net.or.jp/~HH5Y-SZK/onishi/kyojin.htm

この番組の紹介文にこのようなところがある。

俳優の西島秀俊も「神聖喜劇」に魅せられたひとりだ。70年近く前の軍隊での出来事に、今とつながるものを感じたという。 大西は現在91歳。埼玉県さいたま市に妻とふたりで暮らしている。この3月には、みずからの原点とも言える場所・対馬を再訪した。創作意欲は衰えることなく、今も新たな小説に取り組んでいる。

朗読劇の主人公「東堂」も演じた俳優の西島さんは、大西に問う。
今の仕事の現場では、表現を制限されることがある、演じるもの、表現者として規制されていくことを強く感じるというのだ。これに対し大西さんは、この今の空気は、満州事変の前に良く似ているという。
自主規制を自主規制と思わなくなるように、何かに巻き込まれていく空気に対して、自分の考えをもって生きていくことが大切だというようなことをおっしゃていたように思う。

巻き込まれずに、立ち止まって考えよう。と思い続ける。

投稿者 pianocraft : 21:44 | コメント (4) | トラックバック

2008年04月08日

チベットを支援するのか、中国をバッシングするのか

五輪の聖火リレーの映像が過度に報道されていて、ショーのようになっている。一番、ライブな人の好奇心を引く捉え方・・・・

あれを見てると、もちろん「チベット解放」賛成だけれど、世界が注目するからといって過激すぎる妨害は見ていて憂鬱になる。
調査捕鯨船に向かう、反対運動の活動家のように・・手段を選ばす抗議するというのは性にあわない。

日本でも長野でランナーが走るのだろうが、世界のマスコミに向けて抗議を行うのは大いにけっこうだけど、静かなる、非暴力なやりかたをしてもらいたいものだ。

このところの、チベット支援は、ある部分利害を共にする「嫌中国」の感覚と結びつかなければいいなとおもうのだけど、環境問題をとっても日本でかつて発展途上の時代に工業都市に住んでいた私たちもヒドイ環境にさらされていたし、農薬の問題もやはりあった。本当に公害問題が連日報道され、実際に多くの被害者をだしてきた。その行程を中国が歩んでいる。若い人には、イタイイタイ病や、カネミ油症事件、水俣など知らずに生きてきただろうけれど、かつてヒドイ公害時代が本当にあったのだから。
この数日もペットボトルに除草剤の混入があったりと、いまだに食の安全は確立されない。
では、先に公害問題を通り過ぎてきた日本は、公害対策に動いた知識と経験を生かしてアドバイスし、ともによい環境をつくる手助けができないのだろうか?

私は、中国の政治体制を理解することも共感することもないのだが、物事は切り離して考えないといけないと思っている。批判も支援も両方必要だし、日本は特にアジアの国に対してやりのこしている仕事もある。


投稿者 pianocraft : 21:23 | コメント (2) | トラックバック

2008年04月01日

映画「靖国」近所迷惑になるような中身なの? (追記あり)

4月に入ったとたんに嫌なニュースだ。映画「靖国 YASUKUNI」については、3月に映画「靖国 YASUKUNI」上映をで書いたところだけれど、上映中止が「トラブルや嫌がらせ回避」「近隣への配慮」という自主規制モードで相次いでいる。

5月以降の上映ということでは、大阪十三の第七芸術劇場がHP上ではスケジュールを掲載している。いまのところ5月10日~16日午前10時20分からの一日1回の上映という形だ。思わず、上映を中止しないで欲しいというメールを送ってしまった。
4月8日現在5月16日~23日上映がが追加されています。時間は要問い合わせ
今朝の朝日新聞の記事では、そもそもクローズアップされるきっかけとなった、映画に対する公的助成金を問題視した自民党の稲田朋美衆議院議員は、

31日夜に「私たちは公的な助成金が妥当かどうかの一点に絞って問題にしてきたので、上映中止という結果になるのは残念。私の考え方と全然違う作品だが、力作で、私自身も引き込まれ最後まで見た。」と話している。

最後まで見た人は、そう言うのだ。
文化庁も「芸術が嫌がらせで妨げられることはあってはならない」としているわけで、本当に脅迫や迷惑行為があるならば、やる側に問題があることは明白だ。
上映前に過剰反応はやめて欲しい。

日教組の集会の会場を拒否した東京のプリンスホテルといい、恐怖をあおるような、連鎖しているような感じを受ける。この春の風が言論弾圧のいやな臭いを運んでこないことを強く願う。

でもね。大ヒット間違いなしだと思うな。宣伝効果ばつぐん!!
今、公式サイトが、ダウンしてるみたいだ。
映画「靖国 YASUKUNI」 公式サイト http://www.yasukuni-movie.com/

追記 第七芸術劇場へ送ったメールに返事がきました。
是非上映をお願いしますと送った返事です。

有難う御座います。現時点では上映中止の判断はしてません。 上映出来るようにがんばります

投稿者 pianocraft : 23:41 | コメント (6) | トラックバック