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2006年02月 アーカイブ

2006年02月02日

大阪の子どもたち

otona.jpg「大阪府青少年育成条例冊子」

2月1日付けで、大阪府青少年育成条例の一部改正が施行された。
TVなどいろんなところで取り上げられ、ワイドショーのコメンテイターがいろいろ好きな事を言っていた。
こと細かくに規定してあるので、詳しくはリンク先の「大人の責任」という冊子のPDFファイルを読んでもらうとして、大きくは以下のような分類だ。
●立ち入らせない
夜間営業する業種の施設への立ち入りの制限 16歳未満午後7時~翌日午前5時、16歳以上18歳未満  午後11時~翌日午前5時(保護者同伴等の条件つきの16歳未満も)
●外出させない
16歳未満 午後8時~翌日午前4時、16歳~18歳未満 午後11時~翌日午前4時
●見せない
有害図書の販売、貸し付け、閲覧
●持たせない
有害玩具
●買わない
古物、着用済み下着(青少年から買う)
●誘わない
●アクセスさせない 有害サイト

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2006年02月03日

アメリカサイドから見た湾岸戦争

久しぶりに映画で消化不良。試写会に当たったので、「ジャーヘッド」という映画を見ることになった。<湾岸戦争を米軍の一海兵隊員の目で見たもの>という触れ込みだったので、どうせアメリカサイドから見た戦争だろうけれど、あの時現実離れした、花火のようなスカッドミサイルをTVで茶の間で見ていたあの戦争が、地べたではどのようだったのか、原作の手記に基づいて映画化されているのなら、見てみようという気持ちだった。

ところが、原作は読んでいないが、軍隊の暴力的な非人間的な扱いや兵隊達の性的興味には辟易する。「ジャーヘッド」の意味も、兵隊の坊主頭のことを「からっぽのびん」に例えて海兵隊員のことを称すらしい。確かに、頭を空っぽにして、殺人の事しか考えられないような訓練をするからね。

主人公は狙撃主として前線に立つ、一発でしとめる役割を担う。戦争が終わってアメリカに帰っても銃をたずさえてココロは砂漠をさまよっている。
この映画のコピーも、うんざりだ。

見終わっても釈然としない。共感もできない。
いつも、米軍と逆方向から現実の情報を得ているからだろう。
今日きた週刊金曜日にもイラクの記事が載っている。

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2006年02月05日

ピアノクラブ

ピアノが好き!という仲間を集めて、連弾など乱れ弾きをして遊ぼうという、半ば行き先の見えない「ピアノクラブ」を開催した。

そもそもこの企画は、メンバー2人の「マツケンサンバ連弾譜を弾こう!」ということからスタートした。
なかなか、リズムの複雑な連弾譜は難しいのだ。それでも、ヘルプがありつつ最終章まで弾いていた。
私は、多くは傍観者であったけれど、「ブギ」だけはさせていただきました。

これも興が乗ってくると、乱れ打ちができて楽しい。ベースを誰かが弾いてくれて、「おかず」ばっかり弾くまくっても許されるので嬉しい。
いろんなセッションをしてきたが、ピアノだらけのセッションというのは結構特殊な状況なのだ。
確か、100フィンガースという企画でスタインウエイピアノを10台、円になるように並べて、ジャズピアニストがセッションするっていうのがあったが、あるルールでジャズのようなフリーインプロビゼイションでピアノを弾き合うっていうのにあこがれるな。

でも、ピアノ好きが集まったけれど、それぞれのキャリアも得意分野も違うので、統一した何かをするには前もって準備が必要だとわかった。次はテーマを決めよう!
また、連弾譜の低音パートが両手へ音記号であるっていうのになかなか慣れることができなかったりと、あらためて知った難しさもあって面白かった~。

刺激になり、別の分野への挑戦の意欲もわいてきたりして。
途中から、私の父のチェロ指導が始り、一時は「弦楽くらぶ」になったり、手作り楽器であそんだりと、ずいぶんと音をおもちゃに遊んでもらって楽しかったです。
日頃は、こつこつ上司や会社の仕事に追われて息抜きしないと大変な女性プラス男性一名が明日もピアノに向かって鍵盤と戯れることを期待して。

2006年02月08日

救霊会館賛美

大阪の西成、労働者の街。そこに救霊会館というキリスト教会がある。今日はそこで、韓国からきた教会の青年達と共に日韓友好賛美礼拝というのがあり、ハーレムJPクアイアの一員として参加した。

ここで聞いてくれる人たちは、多くはここのおっちゃん、おばちゃんたちだ、昨年も一度歌わせてもらう機会があったが、そのときはコンサート終了後に食事サービスがあったので、「アンコール?」「もうええ、もうええ」てな感じで、はやく飯にありつきたい一心のおっちゃんも何人もいた。あたりまえである。歌ではおなか一杯にならないからな。
今日は、韓国のチームも賛美し、わたしたちも歌ったけれど、寒い中教会は少しは居心地のいい居場所だったのかもしれないなと思った。

先日、大阪では大阪城公園と靱公園でホームレスのブルーテントの強制撤去があった。その前に丁度、公園に住民登録をしようとしたホームレスの人がそれを拒否した北区に裁判で勝った事例があったり、ホームレス対策はもっと新しい局面も考えなくてはいけないように思う。公園から追い出された人たちは、まわりの公園にいったり、病院に入院したり、すこし遠くへ移動しただけだ。
それぞれの事情も、意欲も違いすぎる。そこをすくい上げるのは、難しい問題かもしれない。自立に向けた支援も単純ではないだろう。
けれど、追い払っても解決しない。ここ大阪はほんとに豊かではない場所だ。人もお金も。経済格差のひずみがうんと凝縮してる。

こんな日に、ニュースの一番の話題は、一人の女の腹の中の子どもを大勢の他人が心配してるというヤツだ。大きなお世話だ。天皇の継承者?彼らは国に幽閉された一族だ。いっそ解放運動なんてどうかな?

2006年02月12日

宗教国家

今日のNHKスペシャルは、「イラク シーア派台頭の衝撃」というタイトルだった。これは、先日読んだ「リバーベンドの日記 Baghdad Burning」でもあきらかにされている事だけれど、イラクがイランのような「イスラム教国家」になろうとしているということを取材しているものだった。

悪政でありながらも、イラクの多数の異なった宗教・民族を束ねてきたフセイン政権が倒れ、アメリカが占領するようになったイラク。
リバーは、このように書いている。

<悲惨な状況にあって人々が宗教にすがるのは、驚くようなことじゃないでしょ? 同じことは、世界のいたるところで見られる。津波、ハリケーン、地震、経済封鎖、戦争・・・そのさ中におかれた人々は神々に寄りすがる。多くの人にとって、たとえこの世のよすがすべてが滅んでも、至高の存在は不滅だからだ――いたって簡単なこと。
これは私の個人的な考えだけれど、多くのイラク人は3年に及ぶ占領にすっかり失望して、反アメリカ、反占領に1票をと思い宗教政党に投票したのだ。>

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2006年02月15日

Black History Month~黒人歴史月間

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JAFAイベント(大阪)

2月がアメリカではBlack History Month(黒人歴史月間)であることは、新聞でもちらっと書いてあったりして知るところのなのだが。
この月間について、映画俳優のモーガンフリーマンは、こんなもんはいらないと言う発言をアメリカのTV番組”60ミニッツ”のインタビューで答えている。原文はコチラのサイト
ようするに、アメリカの歴史そのもが黒人史であって、とりたててこの一月間だけに押し込めるのはおかしい。という主張だ。というわけで、そもそもこれは1926年、歴史学者のカーター・G・ウッドソンが設定した「ニグロ・ヒストリー週間」から変化していったもので、本当は黒人歴史を強調して意識する必要もないくらい差別がなくなれば、なくなっていけばいいものと捉えていたようだが、いかんせんモーガンフリーマンが怒ったとて、アメリカでは、ハリケーンでしわ寄せをくうのも、学資のためにイラクへ行くのもアフリカ系アメリカ人というわけだ。

アメリカでは、この月間に多くの展示会、講演会、音楽イベントなどが開かれる。
そこで、日本でもアフリカンアメリカンの団体JAFAがイベントを開く。
そこにわがHarlemJPChoirが出演させていただくことになった。
ゴスペルはまさに、アフリカンアメリカンの人たちにとって、苦しいアメリカでの生活に欠かせなったものだ。選曲も、ブラックゴスペルのスピリチュアルものを選んで、ディープに盛り上がりたいものだ!!
今、来日中のわが愛する講師Butch Heywardさんと素敵なライブになればいいと思っている。

詳細はJAFA HPイベント情報 http://www.jafa.org/japanese/news/news.php
場所は心斎橋 SAVANNA
おいしいソウルフードも有るらしいです。ブラックヒストリーについてのドキュメントフィルムの上映も有ります。


2006年02月18日

「いのちの輝きを伝えたい」コンサート

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今日は、ピアノクラフトワークの調律のお客さんでもある、廣澤大介君の出演するバイオリンと声楽のコンサートに行ってきた。このコンサートは、石井子どもと文化研究所くるみ、青年の自立支援研究会の主催である。大介君は小さいころからLDを持っており、石井子どもと文化研究所に通っているが、音楽が大好きで、バイオリンに熱心にとりくんでいる。今日は、彼のバイオリン演奏と視覚障害を持っている、バリトン歌手の時田直也さんが出演した。

企画に当たったのは、昨年、行った松野迅さんのバイオリンコンサートでピアノ伴奏をしていた榊原契保さん。この榊原さんは、やっぱりウチの調律のお客さんのピアノの先生でもある。

大介君のバイオリンは時にやさしく、ノリに乗っているときはピッチもボーイングもばっちりで迫力がある音がでている。榊原さんとのコンビもよい。この榊原さんは、いろんな人間との出会いを大切にしているとかたる。優しさと思いやりの心で会場がいっぱいになるようなコンサートを目指したそうだ。
確かに音楽は、言葉を超える。その人の状況も越える。例え、障害があろうがなかろうが、若かろうが老人であろうが奏でる音は、その人の音であるから。

もう一人の出演者、聴覚障害をもつバリトン歌手、時田さん。彼は、ピアノの弾き語りをした。よくとおるバリトンの声でしゃべるバリトン歌手と化した。こんなにおしゃべりな声楽家は初めてだ。自分の生まれたときからの障害を両親が受け入れた話や、酔っ払いのオジさんに「手引き」をしてもらった話と人との出会いを宝物のようにする彼の言葉が印象深かった。人はひとりでは生きていけない。誰かの役に立ち、一方で手助けを受ける。彼の経験から出た言葉は重く、深い。

時々、障害をもった人と接したり、であったりしてるときにふと思う。障害がないほうがイビツな人間のような気がする。実は、いろいろみんな不自由な部分があるとおもうけれど、それが社会生活の中でたいした問題になっていないために、何の問題もなく過ごしていると勘違いしているけれど、人はすくなくとも「老化」という逆らえない時の流れのお陰で、日に日に障害を負って生きていく。もう、めがねが離せないないもんな~。いまや。かくして、人と人は出会い、刺激を受けて前に進む。これしかないな。

2006年02月19日

ついに「ホテル・ルワンダ」を観た

この「ホテル・ルワンダ」は公開までの「思い」がとても強い映画だった。昨年のアカデミー賞授賞式「Ray」のジェイミー・フォックスが賞をとるか見ていて、他に主演男優賞にノミネートされていた「ホテル・ルワンダ」のドン・チードルを解説していてこの映画の内容を知った。その後のこの映画公開までの道のりは、「ホテル・ルワンダ日本公開を応援する会」のHPを観て欲しい。

何度も、ルワンダの大虐殺についての情報を読んでいるし、この映画の主役の行動についても、映画のストーリーもすべて知っていたけれど、映画をみることで、文字で知っている事では得られない人間の息遣いや風景を突きつけられた感がする。
もっとも強烈に揺り動かされたのは、国連のベルギー軍がやっとやってきて、これでツチの人たちも救われると思ったとたんに、裏切られるシーンだ。救われたのは外国人だけだった。世界は自分達を見捨てたと知ったとき。このシーンをみていて、自分はどちら側から今見ているのだろう?と思った。
残された人の絶望感か去っていく外国人が感じている不甲斐なさ、無力さだろうか?傍観者として映画に立ち会ってしまった私は、どこにいたのか?

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2006年02月25日

ヴィゴ来日!「ヒストリー・オブ・バイオレンス」

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ヒストリー・オブ・バイオレンス」2005年アメリカ/ カナダ

ヴィゴ・モーテンセンについて書くと、少々冷静さに欠くかもしれないことをお許しいただきたい。
ヴィゴは、この「ヒストリー・オブ・バイオレンス」デビット・クローネンバーグ監督の作品のプロモーションのために来日している。カナダ大使館でプレミアがおこなわれたらしいが、配給会社のファンへの対応は失望させるものであったようだ。

この日本の地にヴィゴがいることについて、どう思うか?と聞かれたら、どうとも思わないというのが正直な感想だ。なにせ、プレミアは東京で開かれるし、実感がわかないからね。そりゃ、たまたまパブで隣にすわって飲んでいたなんて状況があれば別だけど。(きっと、別の自分になるかもしれないな)

ところで、この映画に関して「暴力」に対してヴィゴはどう思うか?というインタビューで、「暴力は本質的には自己破壊であり、他者にたいする攻撃は結局、自分自身への攻撃となる」というようなことを言っている。これは、彼がアメリカ政府のイラク攻撃を批判したりする活動にも通じるように思われる。自身で詩を書き、絵を描き、写真を撮る表現活動をする、変わり者の俳優であるから、繊細な表現者の感性というべきか。

ヴィゴは、息子をイラク戦争で失い、ブッシュに息子の戦争での犬死の謝罪をもとめる運動を展開している「シンディー・シーハン」さんをキャンプに訪問した事は、blogでも書いたが、そのときのシンディの様子をヴィゴファンのmisaさんのインタビュー翻訳で知った。以下、引用させて頂きます。(全文はhttp://viggowords.exblog.jp/i3

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2006年02月27日

映画「あんにょん・サヨナラ」

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日本版と英語版フライヤー

26日朝からひどく雨の降る日曜日、ドーンセンターで映画「あんにょん・サヨナラ」を観て、主役のイ・ヒジャさんと古川雅基さんのお話を聞くことができた。この映画は前から観たかったものだが、私の認識では、韓国の戦死者が靖国神社に合祀されているということに対して、分祀を要求する訴訟を起こした韓国の人の話だという、ぼんやりとしたものだった。どのように靖国は描かれているのか?興味があった。

この映画は、日本では山形国際ドキュメンタリー映画際特別招待作品として上映され、韓国では第10回釜山国際映画祭優秀ドキュメンタリー賞を受賞。ソウル独立映画祭の大賞も受賞している。

このところ、戦争にまつわる映画は良く観ている。でも、これはその中でもいちばん「こたえた」作品だった。イラクやパレスチナ今ある、戦争を扱ったテーマの映画には、想像力を駆使して、本で知識をおぎなって考えることにしているが、今回は違った。わたしにとって靖国神社は、常にその存在そのものに違和感があり、日本人の戦没者であっても、神道でいう神さまにされることも、魂を勝手にもっていかれることも反対だと思っている。けれど、今回はこの映画で問題を「つきつけ」られた感がある。何してんねん。自分は~。と思うような苦しさ。日本にいて、この国の戦争の後始末がまだすんでへんやないか。その当事者である自分は何をしているのか?と。

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