さよなら 塔和子さん

ついこの間の日曜、香川県 大島青松園に、沢知恵さんのコンサートを聞きに行ったところだった。

ハンセン病で、私たちの想像を超える苦難を生きた元患者で詩人の塔和子さんが亡くなられた。

毎日新聞 香川版
http://mainichi.jp/area/kagawa/news/20130829ddlk37040625000c.html

塔和子さんと親交のあった沢さんは、塔さんの詩を歌っている。詩を引継ぎ歌いついでいく。
先日も、体調が悪くコンサートでは、お顔を見ることが出来なかった。
こうして少しずつ、苦難の歴史を知っている元患者さんたちは亡くなっていく。
ハンセン病ってなに?と大人から聞かれる時もある。

その時の政治によって、人が差別され人間として尊重されることなく扱われることがあってはならないのに、何度も公害訴訟(水俣、カネミ油症、三井鉱毒など)は繰り返され、今もまたフクシマで人が棄てられている。それを知らないことのようにする罪は深い。

沢さんも歌う、塔和子さんの詩

「胸の泉に」

かかわらなければ

この愛しさを知るすべはなかった

この親しさは湧かなかった

この大らかな依存の安らいは得られなかった

この甘い思いや

さびしい思いも知らなかった

人はかかわることからさまざまな思いを知る

子は親とかかわり

親は子とかかわることによって

恋も友情も

かかわることから始まって

かかわったが故に起こる

幸や不幸を

積み重ねて大きくなり

くり返すことで磨かれ 

そして人は 人の間で思いを削り思いをふくらませ

生を綴る

ああ何億の人がいようとも

かかわらなければ路傍の人

私の胸の泉に

枯れ葉いちまいも

落としてはくれない

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