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2006年03月17日

アクセスディンギー 大阪北港での不安材料

昨年に正式に休止してしまったボランティア活動で、「みっくす家族レクリエーション」というものに震災以降、スタッフとして関わった。これは、現在も様々なボランティア活動を繰り広げる、大阪生野区の「コリアボランティア協会」の活動のひとつとしてあった。

簡単に言うと、障害を持った子供もそうでない子供もいっしょに「みっくす」して、月に一回は野外であそぼうという企画で、夏は奈良の山までキャンプに行ったりした。参加する子供には、ボランティアの若者(やそんなにわかくないものも含め)が一人に一人は寄り添い、いつも付き添う親とは離れて行動する。

障害をもつ子供の親は、その間にすこし一息できる。その時事情がなければ一緒に同行してもらうけれど、他の子供達の様子も見てもらったりする。親以外の関わりの機会を増やす目的も有った。子供達はいずれ一人で生きていかなくてはならないから、出かけていくのも、他人の力をうまく借りて、自己実現してもらいたいから。今のように支援費でガイドヘルパーをお願いしたり、そういう制度がまだととのっていたかったころにスタートした。
この会は障害を持った子供だけのものではない、「混ざる事」に意味があったので、健常とよばれるやんちゃな我が家の子供達も一緒になって駆け回った。障害をもっていて、変わった行動をする子供達と接して、それに慣れることが、理解の一歩だと私も考えていた。

その「みっくす」の企画の一つで、「アクセスディンギー」というヨットを体験しようという企画をかつて何度か持った。ヨットといえば、ちょっとお金持ちの遊びという感じがするのだがこれはちょっと違う。アクセスディんギーは障害を持った人が参加するレースもあるくらいで、子供にも操作が簡単だ。実際、知的障害をもつ子供と大人のボランティアさんと2人組になって、海に出てもらったけれど、操作は子供たちのほうがうまくいってたりして面白い結果となった。
つまり、海上では、健常といわれる人間は無力で、子供にその舵の行方をゆだねる他なすすべがないのである。なるほど、これはとてもすてきな乗り物だ!とそのときに感じた覚えがある。
身体に障害があっても、多くの人がチャレンジしている。ちいさい、かわいいヨットなのだ。

そんな、アクセスディンギーはセーラビリティ大阪によって、運営されている。
ところが、最近になって問題が浮上した。大阪市のやることによって。
<このヨットハーバーは開設以来大阪市および市の外郭団体である財団法人大阪港開発技術協会によって管理運営されていたが、本年3月1日よりの市議会で株式会杜ジェイ・オー・ビーが指定管理者に選定された。>とある。この会社はヤマハ発動機の関連会社で、琵琶湖などでマリーナ関連の運営販売を行っている。
<説明会開催の要請をする中で、指定管理者に選定された株式会杜ジェイ・オー・ビーが当ハーバーでモーターボートの展示・販売・運用をすることが判明して来ました。>とあり、狭い北港で、モーターボートとヨットの共存によって非常に危険な状態となる。琵琶湖でもモーターボートによる事故は多いと聞く。
せっかく子供や障害を持った人に開かれた北港を危険な状態にしないで欲しいという要望を、有志が起こしている。
詳しくは、 大阪北港ヨットハーバー利用者協議会設立の趣意書
セーラビリティ大阪 HP


投稿者 pianocraft : 2006年03月17日 16:20

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コメント

北港ヨットハーバーに行けば、何時だって誰だって楽しめるということを合言葉を胸に、年間2千人の障害者《知的・視覚・身体》の家族が二人乗りのヨット、アクセスディンギーを北港ヨットハーバーで楽しんできました。そして、数少ないノーマライゼ-ションのハーバーとして世界に誇っています。
突然に、ヤマハ琵琶湖マリーンJOBが、北港ヨットハーバーの指定管理者に大阪市議会で議決され、モーターボートの展示・販売・免許取得教室をするというのです。
私達の生命の危機です。もうアクセスディンギーはできません。
大阪市の財政危機を救うために障害者が生贄になりたくないのです。4月から支援法が適用され、支援費の1割負担もきまっています。弱いものいじめはやめてください。
私達は、大阪市・ヤマハに対し、抗議活動を展開し、モーターボート禁止の大阪市条例をこれまでどおり守るよう要求します。ご支援をお願いいたします。
               セイラビリテイ大阪一同

投稿者 八木 一 : 2006年03月18日 10:33

八木さん。コメント有難うございます。
アクセスディンギーは、存続そのものの危機ということですね。
大阪市は、条例を破ってまで、財政問題の宿題を押し付けようとしている、しかも、障害を持った人たちに犠牲を払えということになりますね。ひどい話と思います。

投稿者 pianocraft : 2006年03月18日 11:39

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