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2005年12月19日

暴力について

12月に入って今まで、あんまりblogを書いていなかった。去年は真珠湾攻撃やジョンレノンのことを書いたりしていたけど。

ニュースが気になっていなかったわけでもない。
書けない重さがあった。それは、子供に向けられる暴力についてだ。

暴力は、暴力をふるう側が弱いと思う相手に一方的に向けられる事が多い。
しかし、この度の事件には幼い子供に向けられる性の暴力の形がとられた。
何故、一方的に命まで奪い取るのか。憤りをもっていくところがない。

そう思っていたところ、昨日の朝日新聞で田上時子さんの記事を読んでなるほどと思った。
田上さんは、「女性と子供のエンパワメント関西」の代表である。このところ特に注目をあびているCAPプログラムも以前から取り組み、各学校やPTAなどで広めている。

<「CAP」はChild Assault Preventionの略で、子どもへの暴力防止プログラムのこと。18歳未満の子どもに対する虐待、暴力行為、子ども同士のいじめなどにどう対処するかを親、教師、子どもたち自身に教える人権教育プログラムです。
 エンパワメント(子どもの内なる力を引き出す)の理念に基づき、暴力から自分の身を守るために、暴力とは何か、暴力の被害に遭いそうになったときに子ども自身に何ができるのかをロールプレイ(役割劇)などを通して、情報とスキルを教えていく参加型学習プログラム。

1978年、アメリカ・オハイオ州コロンバスの強姦救援センターから誕生。
1995年、日本で最初のCAPプログラムを実施する専門家(CAPスペシャリスト)養成講座を開催し、以後、多くの子どもたち・おとなにプログラムを提供しています。 HPより引用>

ここには、他にもワークショップがある。その一つがメグ・ヒックリングさんの「性の健康ワークショップ」だ。
そこで、小さい幼児のころから子供を性的虐待の被害者にも加害者にもさせず、豊かなおとなへと育てることを目的とした、性教育を行っている。

ここが大事。大人になるまでに豊かに人間関係をつくることができるための性教育を行う。田上さんは、性犯罪者は、誤った情報によって犯罪を起こしていたという統計があると言う。

「格差社会好き?ジェンダーフリーバッシング」のところでも書いたが、現場でどのような過激な性教育が行われていたか個々の例は知らないが、人が人として尊重される、大切にされなくてはならないという事を性教育の上でもしっかり伝えていかないと、自分も相手も傷つけることになるということを知らないで過ごすのではないだろうか?

言葉狩りのように、「ジェンダー」を切り捨てても、何の意味もない。ただしくない使われ方、捉えられ方や教育がこの言葉のもとで行われてきたのであれば、それを正すだけ良い。
本質的にその言葉に込められたものは、女性も男性も個人として尊重されなくてはならないという事の一点だけだ。男・女・そしてどちらのボーダーの人も・子供も老人もだ。それぞれが社会で枠の中にはめられることは一切ないということをみんなが受け入れる事だ。

そういう「尊重」の対極に「暴力」は存在する。
つくづく今の日本は暴力的だと思うのだけどね。
   

投稿者 pianocraft : 2005年12月19日 22:59

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コメント

こんばんは。暴力は簡単にけりがつくという神話(ほんとうはけりなんてつくはずがないもの)にとらわれてしまうことは,何とかとめたいものです。CAPのことやエンパワーメントのことも授業で取り上げたことがあります。でも,自分自身が大事にされていないと,人を大事にする実感は湧かないのでしょう。覚えることで終わってしまいました。今はまず対話からはじめようと思っています。教条的にならないように。

投稿者 KATEK : 2005年12月20日 19:16

暴力でけりをつける。というのは、不可能ですよね。アメリカの銃社会がそうであるように、暴力に対して暴力で抵抗することがどんなにむなしい犠牲を生むか。

子供達も、自分自身を大事にするというのは実感が湧かないかも。そうKATEKさんのおっしゃるように教条的でないやり方というのも地道な作業でしょうね。まずご自身を大切にしてくださいね。
わたしなどお気楽なので心配ないですが。

投稿者 pianocraft : 2005年12月22日 22:45

はじめまして。「たんぽぽ」ともうします。

わたしは、一抹どころか、おおいなる不安を感じます。
いまは、小泉が首相だから、このくらいですむのでしょうけれど、
安部が首相になったら、どうなるかと思うと...

>「格差社会好き?ジェンダーフリーバッシング」

反対論者たちは、集団妄想(集団ヒステリー)に、
陥っているのかもしれないです。
(今後、こうした人たちに、歯止めがかからなくなって、
本当になにか、おそろしい事態になるかもしれないです。)
http://taraxacum.hp.infoseek.co.jp/teardrops/against/hysteric.html

投稿者 たんぽぽ : 2005年12月22日 23:56

たんぽぽさん、はじめまして。
サイトを読ませていただきました。
集団ヒステリーの考察おもしろかったです。センセーショナルなニュースは、報道後に事実が判明しても明らかにされないのですね。
でも、そういった「雰囲気」が声を荒げて出なく、ごく自然にただようって怖いです。

「安倍晋三」人気も空恐ろしいと思います。
いろんなところで伝えていきたいですね。

投稿者 pianocraft : 2005年12月23日 23:30

pianocraftさま、こんにちは。
わたしのサイトをご覧くださって、どうもありがとうございます。
(ついでに、伝言板にも足跡を残してくださると、
もっとうれしかったりする...)

安倍晋三も、あっちの世界に行っちゃってますからね...
一部の人たちの妄想が、多くの人に支持されて
強大な権力を握ったとき、決定的な破綻に陥るんだけど...
(ドイツとちがって、日本では、
この手の議論が、あまり見られないように思います。)

投稿者 たんぽぽ : 2005年12月24日 23:09

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