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2006年12月22日

NHKスペシャル「ワーキングプアⅡ」

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NHKスペシャル「ワーキングプアⅡ」~努力すれば抜け出せますか?~の再放送を19日の深夜に見た。母子家庭で、小学生の子供2人を支える母は、2つの職を掛け持ちしないと生活ができない。母子手当ても今後削減される。生活保護以下の生活を強いられても働く貧困層。

正社員で雇用されず、安い派遣やパート労働で生活は支えられない。この母子家庭の母は、ともかく子供が自立できるあと十年は、朝からの労働と夜八時から深夜までの労働を続けざるを得ないと言う。
「十年はなんとしても」子供たちは、早く寝かしつけられているけれど、本当は眠れない日もあるし、母にうんと甘えたいときもある。母の時間も切り売りのように、細切れにされる。虐待やひどい子供の状況もニュースで聞くけれど、この母は本当に心を掛けて、手を掛けて、育てようとしている。安心して、生きていけるような経済がこの国にはないのか?と気分が落ち込んだ。なんて国だ。

アジアからの研修と称する、労働者を工場で雇用し、うんと安い賃金で仕事をさせている会社。周りの地場産業を支えてきた零細の会社は、競争できない。結局、安い賃金で雇うと言うことは、日本の人の労働も安くすることにつながる。水は低きに流れる。労働するのは人間だ。人間を安く叩きのめす日本の会社が貧困を生み出している。

このドキュメンタリーでの紹介は、老人人も及んだ。無年金のお年寄り。空き缶を拾い生計をたてる。
このような状況について、経済学者、福祉問題の専門家などそれぞれの立場で意見を述べる。
でも、政府の考え方は真逆。セーフティーネットとまだ言う。母子に関しては、技能訓練のための学校へいく資金の援助をするなど・・・。その間の生活費はどうするの?学校へ行ったら雇用の保証はあるの?番組に出てきた、若い女の子は、調理師免許まで取ったのに、病院の給食センターで、時給600円台で朝5時から働いている。個人の努力?彼らは、充分に努力を重ねている。でも、タイトルどおり。「抜け出せますか?」

経済格差。地域格差。と呼ばれて久しいけれど、胸が痛い。他人事ではない。いつ自分がそういう状況に立たされるかわからない。自分の子供たちも、同じ立場だ。
派遣で働く、30代の独身女性もまわりには多くいる。本当によくやっているのに・・・。この国は実に暗い。

投稿者 pianocraft : 2006年12月22日 22:28

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コメント

はじめまして、明けましておめでとうございます。Shinnともうします。

私もその「ワーキングプア」の番組を見ました。
とても悲しくなりました。あまりにも理不尽すぎる社会だと思います。
女・子ども・老人・進学を断念せざるをえなくなった若者、私は特に女ですので、いつ何時自分の身に降りかかるかわからない、他人事ではない、とかみ締めたものです。

無礼を承知で超長いコメントをさせていただきます。

現在の首相の安部総理が『再チャレンジ』政策を掲げていますが、このワーキングプアの実態把握が乏しいまま『再チャレンジ』を進めていますが、ホントちゃんチャラおかしいですね!議員たちは、自分たちは貧乏を味わったこと無いから所詮他人事なんでしょうね。

それにしてもなんでこんな社会に成ったのか悲しくてなりません。


とりわけ離婚して子供のいる母子家庭は、『ワーキングプア』に陥りやすいのです。子供がいるだけで正社員の道は閉ざされてます。

子どもが熱を出した、休みます、となるとすぐクビですし。

結果的に、母子家庭のおふくろさんらは、超安時給のパートを掛け持ちしないと生きていけない、しかも生活保護以下の水準です。

しかも生活保護の母子家庭給付も半減されるのですから、まさに世も末です。

そうなれば、どうしても正社員で働きたかったら、子どもを高校まで施設に預けざるおえないでしょう。施設なら満18歳まで面倒見てくれますし事が思うとおりに運ぶかも知れません。
しかし、そんな非情なマネができれば誰も苦労しません(泣)


今後の日本の働き方の意識改革及びパートとの格差是正が主な問題であると、私は思います。なぜならフランスを含むヨーロッパのほとんどでは、正社員とパートの格差が皆無に近いし、比較的出生率の高いフランスでは、働くお母さんは実際にはパートの方が多いのです。

私は、同じ女として、これは断じて他人事ではないと思ってます。
この状態が続くのでは、女と若者の未来はないと感じてます。こういう女とガキに冷たい、男社会の国は長い目で見れば滅亡します。


この日本は、一度やめると次働ける勤務形態はパートのみですし、育児と仕事との両立はとてつもなく難しいですし。


そうなっているのもやはり「男は仕事、女は家事育児」という保守的かつ古臭い考えの者たち(とりわけヤローどもが!!)があまりにも多すぎるし、それによって男社会の温床になってるんですよね。

そればかりでなく、周囲の人(近所や地域の人々)の協力も必要です。欧米は「個人主義国」と言われていますが、実際にはそうした助け合いがあるのです。イギリスでもそうでした。そういうことがなくして、少子化改善は程遠いです。

 「コイツ、バカじゃねぇの?」と非難されるのを覚悟で申し上げます。現時点では、将来的に、前述の問題から逃れたければ、日本から出て行って働く(主にアメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアへ)しか方法が無いですね。そうお思いになりませんか?

 私は内定が決まり来年の春から社会人の身です。大学2,3年の頃、私はよく『この日本からおん出て働きたい』だなんて厚かましくもほざきまくってました。なぜかといいますと、やはり女性の労働環境問題(母子家庭のパートに自分が転落するのが)が嫌だったからです。

仮に、日本から出て働けたとします。しばらくは事が自分の思い通りに運び、現地人と結婚し子をもうけて働き続けられる。そういった現地の女性&子どもへの政策に満足するでしょう。しかし、時折『お役ごめんになったらどうしよう』 とか『大きな病気(ガンやパーキンソン病のような難病)にかかってしまったら、見舞ってくれる日本の家族や友人はいない。で、離婚され、職を失ったら?その後はどうなるのだろう、無一文で野たれ死に?』などといった疑いと恐れにさいなまれるかもしれません。


とにかく早く日本も、フランスをはじめとするヨーロッパのように母子家庭の保護支援、福祉・あらゆる労働環境が充実することを願ってやみません。


お正月から暗い&バカな話をしてしまい、大変失礼致しました

投稿者 Shinn : 2007年01月01日 23:15

shinnさん、熱の入ったコメントありがとうございます。
この番組を見てると、心が締め付けられます。同時に怒りがこみ上げてきました。shinnさんのような、若い女性が、これからこの国で生きていくには、あまりに辛い現実を見せられたという絶望感をいだくでしょう。

それが、少子化で困る国なのか?と思います。子供を持ちたくても持てない国にしているのに・・・。とね。
今年も、経団連の出したビジョンを読んでみてください。
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2007/vision.html

社会保障という言葉はこの国にはもうありません。落ちるものは、落ちろと、拒否・無視を決め込んでいます。
この国を、変えるために何かできないのでしょうか?
絶望の中で、不安の中で、それにあおられて人間として尊厳を失うことのないように、今年は粘り強く見据えていきたいと思います。

人は弱いものです、本来。人間性を失うことなんて簡単です。戦争で人殺し・略奪・レイプができるのが、その辺にいる普通の人間です。そうならないようにするには、相当の意志がいるでしょう。あきらめて相手の手に落ちないように、心を強くする。ここは、戦場ではありませんし、明日あるいは今夜、軍隊がやってきて、家のものをかっさらい、暴力を受けるような、イラクやチェチェンでもありません。が、心は強くありたいと
やはり、思うのです。
コチラも長いお返事なってしまいました。また、のぞきに着てくださいね。

投稿者 pianocrft : 2007年01月02日 13:31

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