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2007年02月07日

おじさんと犬

ふと街でみかける風景。
ちょっと足が痛そうに歩くおじさんが、犬の散歩をしている。そういうときに連れている犬は、とても配慮ができている。ひょっとしたら老犬なのかもしれないが、遠目からははっきりしない。
寄り添うように、決して付けられたリードを引っ張って、先走ろうとしない。
信号であくびをひとつしたりして、ぼちぼち歩いている。そのような犬を見ると、こころやさしい人生のパートナーをこのおじさんは持っているなとほっとする。

街のあちこち、公園のブルーシートの家、非情にも大阪の長居公園で強制代執行が行われた。そんなおじさんたちも、よく犬を連れている。おじさんの連れの犬は、やはり大人しい。決して、敵意をむき出しにするようなことはしない。寄り添う犬。

人は人にこんなにやさしく寄り添うことができるのか?共生よりも排除を選んだ大阪市。
ずっと、ずっと、おじさんたちはあちこちの住処をもとめてきた。対話をして、解決をしてこなかった行政は、やはり人を切り捨てていく。ひょっとしたら捨てられた、犬も肩を寄せておじさんと暮らしているのかもしれない。

住処を私は持っているけれど、なんだかそれも、ふわふわはかないことのように思えてきた。誰もがいつ切り捨てられるかわからない世の中。国会は、予算を審議しているが、軍事費も引き上げられている。
中国が宇宙を汚染する衛星爆撃を成功させ、人は自らを汚し、自滅の道を歩む。
対話をすることは、本当にできないことなのか。
犬とおじさんのように、お互いのペースでどちらの存在も認め合って生きていくことがそんなにもむずかしいなんて、私たちは浅はかだ。

投稿者 pianocraft : 2007年02月07日 22:42

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