2004年06月29日
もぎとるジャーナリズム 郡山総一郎さん
IRAQ WAR（DVD)/作 池上宗徳
昨日、思い立ってイラクで拘束された３人の日本人のなかのフォトジャーナリスト、郡山総一郎さんの講演集会に行ってきた。以前に日記にAOZORA BLOGで京大で講演されたときの様子が詳しくレポートされていて、そちらとほぼ同じ内容で（多分、今回は前より短いものだったと思うので）参照してもらうといいと思うが・・・
レポートで読んだとおりのひょうひょうとした好奇心の強い若者だった。たまに、冗談をいいながら話をすすめるあたり、だいぶ講演回数もこなし聞きやすいものだった。
何より、彼は、今のイラクでなく４月に拘束されたのであり、昨日急遽むすばれた暫定政権への政権移譲の現在では、イラクの危険度はより増している。橋田さんが殺されたのも、そんな泥沼の中で。
郡山さんたちは、ごく普通の農民がクワやカマを持つ代わりに、親族・家族が殺されたために
ムジャヒディンになったイラク人に拘束された。初めは、何者かわからない彼らが、例のビデオを撮影したあと、長い時間、お互いについてやり取りが合ったらしい。
アラーの神を唯一信じる彼らは、日本人は何を信じているのか？と聞かれ、キリスト教もいるイスラム教徒も少しいる、仏教も多い。など、話していて、では、お前達はどうなのか？ということの説明に高遠さんがそれぞれの心の中に神様がいる。と答えた。ムジャヒディンたちは、そんなだから、お前達日本人はダメなのだ。といったらしい。その言葉に、高遠さんが燃えて大論戦を張って、結局、納得させたらしい。彼女の勢いは、一度、走り出すと暴走して止められないと郡山さんは語っていた。
高遠さんは、自分が憲法９条を地でやったのだ。といったらしく。確かに、非暴力で、相手にン自分たちの考えを理解してもらい、紛争を避ける。という見上げた人だ。
ともかく、彼らは、打ち解け、いいものを（鳥肉）を１日に２度は食べ、欲しいタバコを銘柄まで聞いてもらって用意してもらっていた。まさしく、ゲスト扱いだった。
結局、日本政府は、イラクのどことのパイプも持てず、救出に何の力も果たせなかったのだが、彼らもだからこそ、助かったのだと考えている。日本政府が居場所を見つけ、米軍に協力を依頼でもしていたら、彼らは、イラク人もろとも米兵によって爆死させられたろうという。米兵が乗り込んでくるんではないか？とそれが恐ろしかったとも言っていた。
日本で何が起きていたかは知る由もなく。
自己責任論をまだ言う人がいるらしいが、彼らは帰りの航空券も持っていたし、別に政府機で帰りたかったわけではない。飛行機代を請求されても払うことなんてないのである。まったく、バッシングもつまらないことばかり。週刊誌をにぎわした。しかも批判の手紙・メールなどみな同じ論調だという。自分の頭で考えた批判でなくどこかの社説をまるごとかいているようなそんなのが、多かったらしい。いかにも、いかにも。
印象深かったのは、カメラで人をとるとき、人から何かをもぎとっていると思っている。という言葉。重い。映される対象とカメラを持つ自分。それほどに伝えなければならないから、そうする。好奇心で行って何が悪い？
神戸で震災があったとき、アノ映像を好奇心なしで見た人がいるだろうか？あんなにひどい。と思いながら、自分はなんともない、家のリビングにいる。いろいろ大変としても、よりひどい映像が繰り返し現れる。
そうして、神戸に入ったとき。幼い子供も連れていったけれど、本当にそこに連れて来てよかったと思った。映像はツクリモノと子供は思っていた。その破壊の大きさに息を呑んだ。衝撃を受けた。だから、なんとか支援をしようと。ここまで来たから、思うのだ。
ジャーナリズムというのは、伝えるという大儀がある。が、本人が見たい、伝えたいと本気で思わないことから、わたしたちは真実を知る手立てがないのだ。
この講演会で、販売されていた池上宗徳さんのイラクを映した、DVDを買った。静かな、あまりにも静かな映像の中に棲むひとは、傷ついていた。だれも、失っていた。
投稿者 pianocraft : 2004年06月29日 23:19
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» 郡山総一郎さん from @my leisure
今日、説明会の帰りに学校に寄ったら、
「本日！郡山総一郎さん来たる！」
というビラが目についた。
ちょうど一年前にイラクで拘束され人。
あの... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2005年04月22日 19:41
コメント
はじめまして。
突然のコメント、トラックバック失礼します。
ずいぶん前のエントリーのようですが、最近郡山総一郎さんについての記事を書いたのでトラックバックさせていただきました。
投稿者 えみ : 2005年04月22日 19:52
えみさん、コメント有難うございます。
記事も読ませていただきました。
大学で郡山さんの講演会があったとか・・。イラクで拘束されて、一年がたちましたね。あの時は、ご自身から、お話を聞けて、イラクに対する、支援の気持ちが強くなりました。
また、えみさんの学校の自治会は魅力がなさそうですが、９条については非常に今危機感がありますね。活動のやり方はそれぞれ自分の頭で考えてもらうとして、平和は、まもるものでなく創るものと思っています。
投稿者 pianocraft : 2005年04月22日 23:14
イラク占領派兵反対運動に北朝鮮問題の被害者、支援者を誘おう！
http://www.geocities.jp/hagiryo2004/index.html
上記の萩原遼氏のホームページに書いてあるように、北朝鮮の拉致問題、脱北者問題、帰国日本人妻問題を、もっと取り上げるべきです。萩原遼氏は、元赤旗「平壌特派員」です。 北朝鮮の拉致問題、脱北者問題、帰国日本人妻問題を無視軽視容認する共産党や社民党などは、反戦平和運動で、片手落ちです。
左翼系（共産、社民、新社会党、国労闘争団、建交労、千葉 動労、労働情報、全労連、全労協など）は、アメリカ、日本、イギリス、大企業、安保条約や米軍基地（沖縄、横須賀、厚木、座間、岩国、佐世保、三沢など）、ベトナム・湾岸・アフガン・イラク戦争、新自由主義、新基地建設、米軍ヘリ墜落などでは、よく取り上げて、力を入れます。既成政党批判もします。こうした姿勢は、もちろん支持します。
尼崎事故、羽越線事故、伯備線事故の糾弾も支持します。
９条の会関連（http://our.sakura.ne.jp/9/）も支持します。
しかし、北朝鮮の拉致問題（http://www.sukuukai.jp）、脱北者問題（http://www.asahi-net.or.jp/~fe6h-ktu/toppage.htm）、帰国日本人妻問題（http://homepage1.nifty.com/northkorea/）は、苦手で、無視軽視です。現に、六カ国協議はからっきしで、日朝国交正常化交渉も、平行線で、北朝鮮拉致被害者家族会は、不満でした。新しい反戦平和反核運動として、北朝鮮の拉致問題、脱北者問題、帰国日本人妻問題を、今までの路線に、加えたらどうですか？
もし、身内（連れ合い、子女、孫、親、祖父母など）が、北朝鮮から、拉致されたらどうしますか？更に、北朝鮮に帰国して、里帰りも出来ず、脱出も出来なかったら、どうしますか？
それを、想像して、「宮地健一」（http://www2s.biglobe.ne.jp/~mike/kenichi.htm）氏、萩原遼（http://www.geocities.jp/hagiryo2004/index.html）氏、「平壌の水槽」を読んで下さい。最近、国連でも、ＥＵが北朝鮮非難決議を出し、採択されました。
因みに、最近、社会民主主義の本家のフランスやドイツ、サパテロ左派政権のスペインも北朝鮮非難決議を出し、賛成しました。韓国での北朝鮮拉致問題難民会議でも、北朝鮮非難決議が採択されました。国連から、北朝鮮に、査察団を、送るべきです。
お宅の活動に北朝鮮問題の被害者、支援者を誘って、連帯しよう！
いてもたってもいられず、訴えました。
白石真人 シライシマサト ０９０－８３４４－２８９２ ０４５－５７５－２１８２ masato.shiraishi@t.vodafone.ne.jp
２３０－００７５ 神奈川県横浜市鶴見区上の宮１ー２４ー２９フリータ・４１才
南無妙法蓮華経
投稿者 白石 真人 : 2006年02月12日 01:06