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2008年09月05日

映画アメリカばんざい~戦争に行く前と後

十三の七藝で、「アメリカばんざい」を見てきた。
予告では丸刈りのブートキャンプの若者たちの姿があったので、その辺を中心に取材されたものかと思ったがなんの、もっと深い問題に切り込んでいた。

この映画は、藤本幸久監督と、ジャーナリスト影山あさこさんの取材によって作られたドキュメンタリー映画だ。イラクに派兵される若者は貧困層であるということは、よく知られたことだが、本当に学費に困ったり、技術を身に付けられると思い、志願した若者に帰還後待っているのは、PTSD、無職、ホームレスだった。2回目の派兵を拒否し、軍法会議にかけられた後は保証もなにもない。全て、失って、職も得られずホームレスになる。アメリカ全土のホームレス300万人のうち、3人に一人が帰還兵といわれている。

自分の国のために、人を殺し、自分も捨てられる。これが戦争であり、国であると、この映画が伝えることは、今も増え続けるイラクやアフガンの帰還兵によって証明されている。

この映画には帰還兵として、志願する若者を減らそうと運動する人がいる。また、おばあさんたちが、志願を勧誘するオフィスに立ちふさがり一人でもあきらめる運動を展開している。たとえ、逮捕されてもめげない。

たとえ、彼らが酷い状態で、アメリカから冷遇されていても、イラクやアフガンではその兵士の標的になり命をいつ奪われるか判らない市民がうんといるということも、忘れてはいけない。
シンディ・シーハンさんも登場したが、彼女ら戦争で子供を失った母たちは、アメリカの兵士の死者4080人に対して、イラクでは15万人が死んでいることも知っている。こんなばかげたことが、いち早くやめられることを心から思う。

やっぱり、国は国民を守らない。
自分の子供を「殺人にNOを言わない人形」にブートキャンプでしてはいけない。
日本が、これに加担していること忘れてはいけない。他人事ではない、自らの手を使って殺していないだけなのだから。

投稿者 pianocraft : 2008年09月05日 21:21

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イラク米軍脱走兵、真実の告発はイラクでのアメリカ陸軍の行為を告発する内容であるが、アメリカ軍の行為だけではなく、アメリカが抱えているどうしようもない格差社... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2008年11月26日 23:42

コメント

こんばんは。この映画のことまったく知りませんでした。なかなかのドキュメンタリーですね。批判の声は日本の中で(マスコミの中で)どんどん消されていきますが,やはりあるんだということ,そこに手をつなぐ,あるいは手がかりといったものがあるんだということは,忘れたくないですね。まだずっと人殺しに加担しているってことも。オリンピックのような国威発揚には警戒しなくちゃ。です。

投稿者 KATEK : 2008年09月07日 22:06

KATEKさん、こんばんは。
映画には、はっきり劣化ウランに被爆している帰還兵も証言していますし、派兵から帰ってから落ち着いてレストランで食事もできない精神状態だという母の声もありました。いつ、敵が自分を狙っているのか戦々恐々としていて、物音に過敏に反応するとか・・。人間を変えられてしまって帰ってきます。

そういうことが、真実であると知っていれば、日本だって海外派兵反対をはっきり言うことができますね。

投稿者 pianocraft : 2008年09月07日 23:22

こんにちは、ピースムービーメント実行委員会の
山崎です。

下記の上映&トークを企画しました。

心の底から、全ての方々にぜひとも見ていただきたい
と思った映画です。

京都では初上映の映画です。

ぜひぜひご参加をお願いします。

(※マガジン9条:雨宮処凛さんの『「生きづらさについて」』と
「アメリカばんざい」の巻も、ご参照ください。)
http://www.magazine9.jp/karin/080730/080730.php


・・・・以下転送転載大歓迎・・・・・

■上映&トーク
  『アメリカばんざい』上映&トーク
●日 時:2008年10月11日(土)午後6時25分~9時10分頃(開場6時20分)
・6時25分~8時25分『アメリカばんざいcrazy as usual』上映
            (2008年/日本/DV/120分 )
     公式HP http://www.america-banzai.com/

・8時30分~中井信介さんのお話
  『アメリカばんざい』の撮影クルーのお一人の中井信介さん
  に、撮影に参加された時のお話や、この映画への思いなどを、
  お話していただきます。

・質疑応答   ・意見交流(予定)
(9時10分頃終了予定)

●会 場:ひと・まち交流館京都 3階 第4・第5会議室
京都市下京区河原町五条下がる東側
案内:http://www.hitomachi-kyoto.jp/access.html
 京阪「五条」駅下車徒歩8分/地下鉄烏丸線「五条」駅下車徒歩10分
 会場TEL:075-354-8711

●参加費:1000円

●主催:ピースムービーメント実行委員会
    アムネスティ京都グループ

●お問い合わせ:
TEL:090-2359-9278(松本)
 E-mail:ANC49871@nifty.com(山崎)

※予約制ではありませんので、なるべく早めに直接会場へお越しください。

●映画の紹介
▼公式HPはこちらから
http://www.america-banzai.com/

ホンモノのブートキャンプはこれだ! そこはダイエットの場ではない! 正しい兵
士を作る場所!

『アメリカばんざい -crazyas usual-』は、ドキュメンタリー作家の藤本幸久が
“戦争の入口と出口”を追ったドキュメンタリーだ。 2005年に「Marines Go
Home~辺野古・梅香里・矢臼別』を完成させた藤本は、取材を通じて多くの若いアメ
リカ兵と知り合った。「彼らはどこから来て、なぜ兵士になったのか?」。その疑問を
追い求めるため、2006年7月から2008年4月にかけ、7回にわたって渡米。の
べ200日間に及ぶアメリカでの取材・撮影を繰り返し、本作を完成させた。

2008年3月20日、イラク戦争は開戦5周年を迎えた。そんな中、「イラク戦争NO!」
と声を上げるアメリカ人も増えている。
これまでいずれの戦争でも他国を戦場にしてきたアメリカで、本当の戦争を知ってい
るのは兵士だけである。
イラク開戦時とは異なる今のアメリカの変化を生み出す契機となったのは、現役兵士
や帰還兵、その家族達の命がけの「NO」だ。それ故に、アメリカは新兵獲得に躍起に
なっている。テレビでも映画館でも宅配ピザの箱でも「軍隊に入ろう」のキャッチコピ
ーが踊っている。
そして、その矛先の多くは、貧困層に向けられる。
兵士になる名目は「志願」だが、その実態は格差社会がもたらす「貧困徴兵制」。

軍事大国アメリカの真実の姿は、日本に生きる私たちとも決して無縁ではない。


監督:藤本幸久
インタビュアー:影山あさ子
ナレーション・プロデューサー:小林三四郎
撮影:栗原良介/中井信介
音楽:川端潤
配給:森の映画社/太秦

●中井信介(なかい しんすけ)さんのプロフィール
ビデオ・ジャーナリスト。1967年生まれ。1993年より、フィリピンや「北方
領土」などの民衆の暮らしを取材し、新聞、雑誌、ニュース番組の特集などで報道す
る。1996年、第1回アジアウェーブ賞受賞。
 2004年、フィリピンの米軍演習場跡地に暮らす不発弾被害者を描いたドキュメ
ンタリー映画「クアリ」を制作(2006年、ソウル人権映画祭に出品)。
 近年は、韓国の平澤米軍基地の拡張問題を取材。RKB毎日放送制作「テチュ里の灯
火」撮影。短編ドキュメンタリー「がんばれ! ファンセウル」制作(国際人権教材
奨励事業AWARD2006受賞)。
2007年『アメリカばんざい』の撮影を一部担当されました。

中井信介さんのHP http://homepage3.nifty.com/tewatashipress/

●映画へのコメント
心の傷とは、静かな声で、かろうじて語られるものだ。カメラがそれを受けとめる
クッションになる奇跡の瞬間、地獄の縁をのぞきこむ番が、わたしたちに回ってくる。
(池田香代子・翻訳家)

「戦争」とは、「大学に行きたい」という夢を持った10代の若者に、人を殺させるこ
となのだ。そしてその「貧困による徴兵」は、この国の近い未来の風景と重なるのはわ
たしだけだろうか。(雨宮処凛・作家)

●○────────────────────────○

※スタッフ募集!!
ピースムービーメント実行委員会は、映画を通じて
平和について考えようという趣旨で、個人有志で、
上映会(&講演の時もあり)をこの5年で40作品余り
を企画してきました。
企画・広報スタッフ・当日スタッフを常時大募集しております。
ご協力願える方は、上記問合せ先にご連絡ください。

●○────────────────────────○

投稿者 山崎 : 2008年09月27日 11:42

山崎様

こんばんは。京都での上映会とトークのご案内ありがとうございました。この作品が、実にリアルに国と軍隊の有り様を伝えていることに私も感心しました。

投稿者 pianocraft : 2008年09月28日 21:32

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