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2008年03月10日

燃やさないで

今日3月10日で東京大空襲から63年目を迎えたという。1945年3月10日、東京は燃えていた。
今夜は、9時からのTBSのドラマを途中から見た。「3月10日東京大空襲」という。石川光陽さんという人が警察の警務課写真係として東京大空襲の記録を33枚の写真に残した。この人を軸に、ドラマとドキュメントをあわせた番組だった。

この33枚の写真のみが、地上からとらえた東京大空襲の写真記録。
黒く焼け焦げて、まるで木が炭化したような人型の死体。子供のものもそばにある。
隅田川に重なるように亡くなった多くの人々。
2時間半もの無差別爆撃。

この空襲で落とされた焼夷弾は、米軍が東京大震災での被害状況を参考にして、火の周りを考え、春の強風の影響も考慮されたという。隅田川周辺の被害状況は、震災のそれと重なるのはそのためだという。知らなかった。

私の母は大阪空襲を経験していて、焼夷弾から逃げ惑ったことをよく聞かされていた。町をなめるように焼いてしまう。逃げる場所を奪う地獄。

この攻撃で米軍は、その後の戦争で使用するナパーム弾、クラスター爆弾の開発に役立てた。
今もなお、被害を増やしている空爆。クラスターをもつのは日本も同じだ。

私にとって、燃やさないで欲しいというのは、それだけではなかった。
実は、昨日のやピアノを燃やすパフォーマンスの報道を見て感じていた。
昨日、山下洋輔は、35年ぶりにグランドピアノを燃やしながら演奏するというパフォーマンスをやっていたのだ。35年前の1970年代、何かを壊すパフォーマンスが流行っていた。
コンサートでオノでピアノを叩き壊すとか、ギターを半分に叩き割るとか・・・・。
私にとってもともと破壊というのは、嫌な感じがする。スカッとするとか、そういう気分になれたことはない。

ピアノは点火されて、せいぜい10分しか、音を鳴らさなかったという。
いくら、いらなくなったピアノとはいえ、燃やしながら弾くことに何の意味があるのか。意味がないのならば、ピアノが生かされる次の人生をどこかで考えることができないのか?・・・
国を越えれば、一台のピアノが誰かの心に届くこともたやすいかもしれない。
どんなものも、命を終えるときに生きながら焼かれて絶えていくなんて残酷である。

東京大空襲をテーマにしたドラマは、日本テレビ系列でも3月17日、18日と放映される。

投稿者 pianocraft : 2008年03月10日 23:21

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